Kのメモ

博士課程学生 in Boston. 研究、生活、おぼえ書き

PhDをsurviveするための心構え

もしくは研究者として生きる上での心構え。

ボスたちと話していて、これはいい考え方だな〜と思ったので、将来の自分のためにもメモしておく。(意訳および自分の解釈が大いに加わっています)

うちのラボのmain productはなんだと思う?論文とか学会発表とか、scientificな発見ではない。いちばん大切なproductは人。学生やポスドクをトレーニングし、優れた一人前の研究者として送り出すこと。それが一番大切なことだと思ってPIをやっている。

もちろん、いい仕事をすることは大事。論文を出すとなったら当然bestなjournalを狙う。でもいい論文を出すのは手段であって目的ではない。目的は人のトレーニング。

他の人が私達の研究をどう思うかはout of our controlで、気にしても仕方がない。私達の研究は誰の役にも立たないかもしれないし、誰かの命を救うことがあるかもしれない。研究はそういうもの。世界を変える研究がどこから出てくるかは誰にもわからない。

なので、わたしたちの持っているcuriosityに従うことが大切だ。自分がやりたい・知りたいと思うことを全力で研究し、自分たちにしかできないことをする。そうして人類の知見を増やす・科学の発展に貢献する。いつか世界を変える研究が出てきたとき、それに直接関わっていなくても、自分にしかできないことをやることで実は間接的に貢献している。

つまり、思うような成果が出ないとかいい雑誌に論文を出せないとかは気にしなくていい。研究が現在/未来でどう評価されるかは誰にも分からない。PhDの間に目指すことは、curiosityに従って自分にしかできない研究に全力をそそぐこと。研究者としての自分を鍛えること。それに集中すること。

PhD論文は卒業に必要だが、あくまで副産物であって、ゴールではない。PhDのゴールは研究者としてのトレーニングとCVの充実。

あとは辛いときにちょっとだけ元気になりそうなもの。

君たちは博士課程にいる時点で十分賢くて優秀だ。自分たちの能力を疑う必要はない。

You are not your research. 研究がうまくいかないことは君という人間がダメだということを意味しない。逆に、研究がうまくいってもそれはそのまま君という人間が優れていることを意味しない。大事なことは失敗や成功から何か学べるかどうか。